楽器のストラップと聞くとサックス奏者がつけている印象という人も多いのではないかと思いますが、クラリネットにもさまざまなストラップがあります。
今回は、意外と知らないクラリネット用のストラップを使ってみようと検討している人に向けて記事を書いてみました!
クラリネットのストラップってそもそも何!?
クラリネットを演奏するときは、右手の親指とマウスピースをくわえた口の2点で基本的には楽器を支えます。
名札のように首からストラップをかけ、楽器本体の指かけ部分と繋いで使います。
そうすることで、これまで2点にかかっていた楽器の重さは肩にも分散でき、重さを軽減する役割がストラップにはあります。ストラップは基本的にどのクラリネットにも装着可能です。
サックス系の楽器を演奏する人が首から下げているストラップと役割は一緒です。
クラリネットのストラップを使うことによるメリットは?
クラリネット用のストラップを使用するメリットは、大きく2つあります。
1つ目は、姿勢の固定です。アンブシュア(くわえ方)が深かったり浅かったりと定まらない人は、楽器がぐらついてしまい不安定な音になりやすいです。
ストラップをつけることで首から楽器までの距離感がある程度、固定されるので姿勢のばらつきを減らすことができます。
自然に吹きやすい位置に楽器をキープしてくれるので演奏の安定度が増します。
ストラップを使うと身体に対する負担を軽減
2つ目は、右手親指や両手首の負担を軽減できることです。
コンクールや演奏会の時期は、長時間の練習でクラリネットを持っている時間も長くなります。
適度に休憩を入れたり正しい姿勢を意識したりしても負荷がかかり楽器を支えている右親指や両手首に痛みを感じる人も少なくありません。
また、練習のしすぎで腱鞘炎になる人もいますが、右親指や両手首にかかる負担の軽減をしてくれます。
クラリネットのストラップを使うことによるデメリット
ストラップを使用するデメリットは、ストラップに頼りすぎて変なクセがつく可能性があることです。
これは正しい姿勢を習得していない初心者は特に要注意です。
紐の長さが合っていないと猫背になってしまったり、ストラップをつけたときの快適さに依存してしまい姿勢が崩れたりすることが懸念されます。
間違った姿勢をクセづけてしまうと修正するのは結構大変なので、ストラップをつけているときも右手でしっかりと楽器を支える意識は忘れないようにしましょう。
◯クラリネットのストラップを2つ紹介
クラリネット用ストラップの中でもユーザーの多い2つをご紹介します。
管楽器のストラップ界でも有名なBG
1つ目は、BGです。BGは、フレックス(Flex)・ナイロン(Nylon)・レザー(Leather)・ヨーク(Yoke)・コンフォートハーネス(Comfort Harness)の5種類があります。
フレックス(Flex)は、シンプルな見た目でナイロン製でできています。
お手頃価格で初心者にはピッタリのストラップになります。
ナイロン(Nylon)は、首部分にコットンパッドのクッション性が加わります。パッドはシャツの襟に隠れるほどスリムです。
レザー(Leather)は、コットンパッドとレザーを組み合わせた高級感が人気です。
ヨーク(Yoke)は、ネックパッドの面積をやや広げることで両肩にかかる重量を逃がし、首への負担を最小限に抑えます
。ここまでの4種類(フレックス、ナイロン、レザー、ヨーク)は紐部分が伸縮するタイプ(Elastic)と伸縮しないタイプ(Regular)があります。
コンフォートハーネス(Comfort Harness)は、背中からも紐を通すハーネスモデルです。
こちらは伸縮タイプがない代わりに厚いコットンパッドの組み合わせで、より肩への負担を軽減させます。
自分好みにカスタマイズ可能かつ高性能なストラップ「BIRD STRAP」
2つ目は、バードストラップ(BIRD STRAP)です。バードストラップは、ショート(BS-CL-SHT)、スタンダード(BS-CL-STD)、プロ(BS-CL-PRO)の3種類があります。
ショートは、名の通り短めのショートモデルとなっており、中高生や小柄な方にお勧めのモデルです。
スタンダードは、多くの人が使いやすい定番のモデルです。
プロは、二手に分かれているV字プレートがより細く作られており、使いやすさを追求したプロ機能となっています。
3種類ともに伸縮タイプのネックパッドで柔軟性を兼ね備えたものになります。
また、バードストラップ(BIRD STRAP)のストラップは、5つのパーツ(伸縮ネックパッド、サイドアジャスター、V型プレート、ブレード(紐)、ベルトテープ付きフック)の色をカスタマイズすることができます。
豊富な色の中から自分だけのオリジナルストラップに仕上がります。各パーツのカスタマイズ価格に関してはホームページをご覧ください。
参照:https://www.bird-strap.com/cla-custom
もちろん、ストラップは必需品ではない
ストラップをつけると楽器の重さが分散されてクラリネットを持つ感覚が楽になります。
しかし、楽が故に「ストラップがないと吹けない」状態になってしまうのは良くありません。
あくまでも演奏を快適にするための補助具ということを忘れないように使っていきましょう。
楽器を始めたばかりの小・中学生にとっては楽器は重く感じると思いますが、基礎的なことが身についていない段階からストラップに依存するような練習をしてしまうと有効的な使い方ができずに逆効果となってしまう恐れがあります。
「ストラップがないと吹けない」ではなく「練習を快適にしてくれるお助けアイテム」程度に使用するのが良いでしょう。
クラリネットのストラップについて:まとめ
コンクール時期になると練習のしすぎで「右親指が痛い…」なんて経験をしたことのある人も多いと思います。
「痛みが気になって練習に集中できない」という人は体を労わるお助けアイテムとして、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。