あなたは定期的にクラリネットのメンテナンスをしていますか?調子が悪くなってからメンテナンスをすると高額な費用がかかってしまう…なんてことも少なくありません。
最後の楽器屋さんはいつだったかのう…
「特段、調子が悪いと感じない」「音は普通に出ている」という理由でメンテナンスをしたことないという人やメンテナンスをした方がいいのかなと思ってはいるものの「やり方が分からない」という人に向けて、定期的にチェックしておいた方がいいメンテナンスについてお伝えしていきます。ぜひ、参考にしていただければと思います。
クラリネットに限らず木管楽器のメンテナンスは必須
楽器の定期的なメンテナンスは必要不可欠です。特に、木管楽器のタンポやコルクは、気温や湿度によって膨張・収縮したり、経年劣化による変化が起こりやすかったりする繊細なものになります。さらに、木管楽器に多くついているキイは、小さな歪みを放置しておくと徐々に全体のバランスが崩れていきます。楽器を片付けるときに、変わりはないか観察するクセをつけておくといいでしょう。虫歯がなくても歯医者さんへ定期検診に行くように、楽器の調子が悪くなくても定期的にメンテナンスをしておくと安心です。
クラリネットをメンテナンスしないとどうなる?
楽器のメンテナンスを怠っていると音程の取りにくさ、雑音の目立ち、キイの歪みや錆に繋がったりと自分では修理不可能な状態になってしまいます。
病気は、健康診断を毎年受けることによって早期発見に繋がりますが、楽器も似ています。「音が出るからいいや」とメンテナンスを怠っていると、急に高額な修理が必要になるケースはよくあります。
いきなり大ダメージは財布にも楽器にも良くないな…
定期的に楽器をメンテナンスしておくと防げることは多いので意識しておきましょう。
クラリネットのメンテナンス方法
クラリネットを片付けるときの日々のお手入れに加えて、自分でできる定期的な自己メンテナンスをすることで長くクラリネットを使うことができます。放置しておいたが故に高額な修理が必要になることを避けるために、定期的に楽器の自己メンテナンスをしておきましょう。
クラリネットの自分でできるメンテナンス方法を見ていきましょう!
トーンホールやキイの掃除
クラリネットは、バスクラリネットやフルートに比べて、直接、指の腹で穴を塞ぐ音が多いです。そのため、汗や皮脂の汚れが穴の内側に溜まりやすくなります。トーンホールクリーナーや綿棒を使って月に1回程度キレイにしてあげましょう。合わせて、キイの狭い隙間の汚れもとってあげるといいでしょう。キイの隙間を拭くときの注意点として、針金部分に触れないようにしましょう。
綿棒でごそっと取ると、何とも言えない気持ちになるぞ~
キーオイルの注入
キイを動かして擦れ合う部分に半年に1回程度で少量のキーオイルを塗ってあげましょう。キイの動きの悪さを防ぎ、滑らかな音の移り変わりを保ちます。注意点として、埃の上からオイルを塗ってしまうとオイルと一緒に埃がキイの隙間に入っていきます。そうなると逆にキイの動きが鈍くなるので、オイルをさす前にはキレイに楽器を拭いてから行いましょう。また、クラリネット本体にオイルが付着してしまわないように気をつけましょう。オイルをさした後は、キレイに拭き取りましょう。
キイの黒ずみ対策
練習のあと、キイをクロスなどできちんと拭いて楽器を片付けるように気をつけていても汗や皮脂の拭き残しによってキイが黒ずんでしまうことがあります。その際はシルバーポリッシュという液体をガーゼやクロスに馴染ませて優しく磨いてあげましょう。放置をしていると錆に繋がる恐れがあります。楽器が錆びても演奏に大きな支障はありませんが、自分では落とせない汚れになるためキレイにしたいと思った際は、修理店へいくことになります。
放置していると錆びになってしまうので注意!
タンポの点検
楽器の片付けの際、タンポの水分の拭き残しが多いとタンポの劣化が早くなります。色が変色していないか、ケバケバしたものが出てきていないかを定期的にチェックしましょう。タンポを開閉する際にベタつく音がする場合は、パウダーペーパーをタンポに当てて数回開閉させるといいでしょう。タンポに異常があると、雑音が増えたり音が出にくくなったりします。
本番前にベタ付くとヒヤヒヤするな…
バネの外れとコルクの状態
楽器の音が出にくい場合は、楽器のバネが外れている場合があります。また、キイを押すとカチャカチャうるさい音がする場合は、コルクが外れている場合があります。自己メンテナンスをするときに、合わせてチェックをしておくといいでしょう。
音が引っかかる場合やいつもと違うと感じたらバネをチェック!
楽器屋に出す「クラリネットの全体調整」も大事
クラリネットは、年に1〜2回程度、全体調整に出すことをオススメします。自己メンテナンスでは出来ないキイの分解を行い細部までチェック・掃除をしてもらえます。具体的には、キイを全て取り外してキレイに磨いたり、キイにオイルを差して連動調整をしたり、タンポの確認をしたりします。
楽器屋さんに連絡してから持っていこう!
値段としては、およそ5,000円〜10,000円ほどです。楽器の健康診断のようなイメージです。自分では気付きにくいキイの歪みなどをプロの視点で調整してもらうと吹きやすさも変わります。
まとめ
楽器の吹き方については、楽器の先生や先輩に力を入れて教えてもらえます。しかし、メンテナンス方法については簡単にサラッと伝えられることが多いです。メンテナンスを重要視されない学校は多いですが、適切な自己メンテナンスをこまめにすることで楽器を長持ちさせることが出来ます。積み重なったメンテナンスの放置は演奏にも影響してきます。今回、ご紹介した自分でできる自己メンテナンスは道具があればすぐにできると思います。ぜひ試してみてください。